023年の1月22日は、旧暦の1月1日にあたり、ベトナムのお正月(テト)となります。この間、ベトナムではどこでもテトの雰囲気を感じられると思います。テトの準備のために、北部ではバインチュンを作りますが、南部ではバインテト(Bánh tét)を作ります。

原料や作り方はバインチュンと同じですが、形が大きく違います。バインテトの形は丸く細長く作られます。バインテトの由来には様々ありますが、バインテトは昔のベトナム南部に存在したチャンパ国の文化と、ベトナム北部文化が合わさって出来たとされています。一方で、歴史的に見ると戦争の際に食べられた食べ物でもあります。いずれにいたしましても、現在では南部のテトを象徴する食べ物となりました。

更に、バインテトには２つの種類があります。一つは北部のバインチュンと同じように、豚肉や緑豆餡などで作られるもので、もう一つはお供え物として利用するように、豚肉がなく、バナナや黒豆で作られるものです。

南部の民族にとって、バインテトは新年が幸せと豊かさを祈願する意味が込められており、とても意義が深い料理でありますことから、テトの近く時期では家族一員や近い親戚なども集まり、一緒にバインテトを包んで調理します。大きい寸胴鍋に入れて６時間～８時間、大きいサイズのものは12時間ほど茹でます。家の中で茹でることはまれで、庭や家の前の炉端で、簡易的な台所を作って、薪をくべながら長時間茹でます。

そのため、この時期には道端でバインテトを茹でながら、近所の人とおしゃべりしている人の姿をよく見かけます。

食べ方はバインチュンと同じです。

包丁として使う葉を包んでいる紐で、バインテトを切ります。

たくさん食べてくると飽きてしまう人も多いことから、よくエシャレットの漬物を添えて出されます。

小さいバインテトはテトだけでなく、日常的に市場やスーパーなどで販売されており、いつでも食べられます。

南部では、カントーやチャヴインのバインテトが美味しくて有名で、地方のお土産となりましたほどです。

皆様、ぜひ良いテト休暇をお過ごしくださいませ。